LLMOで変わったのは「施策」じゃなくて「狙うキーワード」だった

  • 2025.12.21
  • SEO対策

「LLMO対策は8年前にわかってた」って、どういうこと?

先日、SEOコンサルタントのじゅんたけさん(@JunTakeda11)がこんな発言をしてたんですよ。

「LLMO=SEO」「LLMOに画期的な施策はゼロ」だから当たり前だが、2017年のMozの記事を再読すると、「AI対策は8年前に全て解説済みだな」とあらためて感じてしまう。

これ見て、最初は「ん?どういうこと?」って思ったんですよね。

LLMOって最近出てきた話じゃないの? 8年前にわかってたって何?

気になったので、実際に2017年のMozの記事を読んでみました。

参考:Mozの記事(2017年)

読んでみたら、確かにそうだったんです。今「LLMO対策」として語られてることの多くが、8年前にもう書いてありました。


まず用語を整理しますね

Mozの記事には「セマンティック検索」「エンティティ」「ナレッジグラフ」みたいな用語が出てきます。

ちょっと複雑なので、ざっくり表にまとめてみました。

用語ひとことで言うと
セマンティック検索「キーワードの一致」じゃなくて「意味の理解」で検索結果を出すこと
エンティティGoogleが「これは○○のことだな」と認識できる存在(人・場所・モノ・概念)
ナレッジグラフGoogleの頭の中にある「エンティティの図鑑」。関係性も含めて整理されてる
ナレッジパネル検索結果の右側に出てくる「まとめ枠」。エンティティとして認識されてる証拠

もう少し詳しく説明しますね。

セマンティック検索って?

昔のGoogleは「キーワードが一致するページを探す機械」でした。

「りんご 値段」って検索したら、「りんご」「値段」って文字が入ってるページを探してたんですよね。

でも今は「意味を理解する機械」になってます。

「りんごって今いくら?」って聞いたら、「あ、この人は果物の価格が知りたいんだな」って理解して答えを返してくれる。

この「キーワード一致」から「意味の理解」への変化が、セマンティック検索です。

エンティティって?

簡単に言うと、Googleが「これは○○のことだな」って認識できる存在のこと。

トヨタ、イチロー、東京タワー、iPhone……こういう「固有の存在」として認識されてるものですね。

Googleは世の中の「モノ・人・概念」を整理して、関係性も含めて覚えてます。

ナレッジパネルって?

これは一番わかりやすいです。Googleで何か検索したとき、右側に出てくる「まとめ枠」のこと。

「トヨタ」って検索すると、会社のロゴ、設立年、本社、CEOとかがまとまって出てきますよね。あれです。

ナレッジパネルが出る=Googleにエンティティとして認識されてる、って考えてOKです。


で、これがLLMOと何の関係があるの?

ここからが本題です。

2017年のMozの記事には、こんなことが書いてありました。

検索エンジンは、統計的にみてどのような言葉がどのように組み合わされ、意味に基づいて関連付けられているかをよく理解している。

検索エンジンは、セマンティック検索やエンティティベースの検索を利用することで、ユーザーの意図をより深く理解できる。

グーグルによるナレッジグラフの発明は、文字列ではなくモノを理解しようとするグーグルの姿勢を示す格好の例だ。

要するに、Googleは8年前の時点で「キーワードの一致」から「意味の理解」に進化してたんですよね。

で、LLM(ChatGPTとかPerplexityとか)がやってることも、まったく同じなんですよ。

キーワードを拾ってるんじゃなくて、「この人は何を知りたいのか」を理解して答えを返してる。

だから、じゅんたけさんの言う「LLMO=SEO」「LLMOに画期的な施策はゼロ」っていうのは、理屈としては正しいわけです。

やるべきことは同じ。ユーザーの意図を理解して、それに正面から答えるコンテンツを作る。それだけ。


でも、変わったこともある

じゃあ何も変わってないの?って言うと、そうでもないんですよね。

施策は変わってない。でも「狙うキーワード」は変わった。

AIで済むやつは、もう検索されない

「SEOとは」「LLMOとは」みたいな辞書的なキーワード。

これ、もうGoogle検索で調べないですよね? ChatGPTに聞けば一発で答え出ますから。

強調スニペットとかAI Overview(AIO)の登場で、検索結果の時点で答えが完結する場面も増えました。

つまり「検索ボリュームが多い=狙う価値がある」っていう構図が、崩れてきてるんですよ。

狙う価値があるのは「具体的な悩み」

逆に、狙う価値があるキーワードもあります。

たとえば「建設業 ホームページ 意味ある」とか「採用 集客できない」みたいなやつ。

こういうキーワードって、AIに聞いても「場合による」としか返ってこないんですよね。現場の経験とか本音がないと、納得できる答えにならない。

一般論じゃなくて、具体的に困ってる人の悩み。そこにこそ価値があります。


まとめ:施策は変わらない。キーワード選定を見直そう

「LLMO対策」って聞いて焦る必要はないです。

8年前からGoogleは「意味を理解する検索」に進化していて、その対策として語られてきたことは、今も変わらず有効です。

  • ユーザーの疑問に正面から答える
  • 一次情報・実体験を入れる
  • 構造化してわかりやすく書く

これは8年前も今も同じ。

ただし、狙うキーワードの「質」は見直したほうがいいですね。

  • このキーワード、AIで済まないか?
  • 取ったとして、本当に問い合わせにつながるか?
  • 具体的に困ってる人の検索か?

「検索ボリュームがあるから書く」じゃなくて、「このキーワードで検索する人に、自分の記事が最適解か?」。

その視点で選べば、LLMOだろうがSEOだろうが、やることは変わりません。

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Writer この記事を書いた人

清水 信行 代表 / デザイナー

1989年岡山県生まれ、岡山在住。制作会社に3年勤務した後に独立し、その後2年フリーランスとして活動後、法人化。5年間で制作したwebサイトは200件以上で、現在はディレクションからデザイン、コーディング、コンサルティングまでweb制作業務全般を幅広くこなす。

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