「最近、Google検索ってあまり使わなくなったんですよね…」
先日、顧問先の税理士さんから、ふとこんな言葉を投げかけられました。確かに、知りたいことをAIに聞けば、一瞬で答えが返ってくる時代。従来のSEO対策って、本当にまだ意味があるのでしょうか?
正直に言うと、私自身も気になることの7割くらいは、ChatGPTやSNS、そしてGoogle検索結果のトップに出てくるAIの要約(AI Overview)で解決してしまっています。検索結果を延々とスクロールするより、AIがまとめてくれた答えを見るほうが断然早い。
まさに「ググらない時代」の到来です。
こんな時代に、私たちブログ運営者はどうすればいいのでしょう?
先に結論を言うと、ブログの役割を見直し、新しい戦略を取り入れることが重要です。
これからのブログ戦略:2つの柱
深掘りコンテンツ(ファンを作る記事):
- 役割: AIには真似できない、あなた自身の体験談、失敗談、独自の分析、具体的な提言などを盛り込み、読者を「なるほど!」「面白い!」と引きつけます。目指すのは、読者があなたのファンになり、次もあなたの記事を読みたくなる(指名検索)状態です。
- 測る指標: 他サイトからのリンク数、記事を最後まで読んでもらえた割合(読了率)、会社名やサービス名での検索回数など。
辞典コンテンツ(AIに引用される記事):
- 役割: 「〇〇とは?」「〇〇のやり方」といった疑問に答えるQ&Aやノウハウ記事を、分かりやすく整理して(構造化して)作成します。これにより、GoogleのAI Overviewなどに引用されやすくなり、クリックされなくてもブログやサービスを知ってもらう入口を作ります。
- 測る指標: AI Overviewに引用された回数、クリックされなくても表示された回数(インプレッション)、SNSでの保存数など。
この2種類のコンテンツを、「AEO(Answer Engine Optimization:回答エンジン最適化)」という考え方で設計していくことで、クリックされなくてもブログの価値を高め、成果につなげることが可能です。
この記事では、AI時代の新しいブログ戦略について、以下の流れで詳しく解説していきます。
- ゼロクリック検索って何? なぜ増えてるの?
- Google AIが重視する「信頼性」と「分かりやすさ」
- AEOって何? 具体的にどうやるの?
- ブログを「深掘り」と「辞典」に分ける設計図
- AIと協力してコンテンツを作り、SNSや動画にも活用する方法
- まとめ & ちょっとしたお知らせ
1. ゼロクリック検索って何? なぜ増えてるの?

2024年、Googleは検索結果の一番上に、AIが作った要約を表示する「AI Overview」を本格的に導入しました。複数のWebサイトの情報をAIがまとめて「答え」として提示してくれるため、ユーザーはわざわざリンクをクリックしなくても、疑問を解決できるようになりました。

アメリカの調査会社SparkToroによると、検索結果をクリックしない「ゼロクリック検索」の割合は、アメリカで約6割、日本でも5割を超えつつあると言われています。これにより、検索順位が上がってもアクセスが増えない、という現象が起きています。
ゼロクリック検索のメリット・デメリット

- デメリット(失うもの):
- 直接アクセスが減る: 検索順位が上がっても、サイトへの訪問者が増えにくくなる。
- 広告の効果が下がる: サイト訪問者が減ると、リマーケティング広告(一度サイトを見た人に表示する広告)のリストが作りにくくなる。
- 成果が見えにくい: ブログ経由での認知度は上がっているのに、アクセス解析ツール(GA4など)では効果が計測しづらくなる。
- メリット(チャンス):
- 濃い見込み客に出会える: AIの要約だけでは満足せず、さらに詳しい情報を求めてクリックしてくれる人は、もともと関心度が高い可能性が大。質の高い「深掘りコンテンツ」で、そうしたユーザーをがっちり掴むチャンスです。
2. Google AIが重視する「信頼性」と「分かりやすさ」

AI Overviewに引用されたり、検索結果で高く評価されたりするためには、Googleが定める評価基準、特に「EEAT」と「構造化データ」が重要になります。
2-1. EEAT:あなたの情報の「信頼性」を示す
EEATとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字を取ったもので、情報の質と信頼性を評価する基準です。
- 経験 (Experience): 実際に体験したこと、現場の写真、成功談だけでなく失敗談も正直に書くと、情報の信頼性が増します。
- 専門性 (Expertise): 誰がこの記事を書いたのか(プロフィール)、監修者がいる場合はその情報を明確に示します。
- 権威性 (Authoritativeness): 大学、業界団体、公的機関など、信頼できる情報源からの引用やリンクがあると評価が高まります。
- 信頼性 (Trustworthiness): サイトが安全であること(https化)、情報が最新であること、連絡先が明記されていることなどが重要です。
【簡単Tips】 記事の冒頭に「この記事を書いた人」というコーナーを設け、執筆者の実績や専門性を100文字程度で紹介すると、AIが信頼性を判断しやすくなります。
2-2. 構造化データ:AIに「分かりやすく」情報を伝える
構造化データとは、Webページの内容を検索エンジン(やAI)が理解しやすいように、特定の形式で記述する情報のことです。人間にとっては見えませんが、裏側でAIに「この部分はQ&Aですよ」「これは手順ですよ」と教えてあげるイメージです。
- FAQ(よくある質問)やHowTo(手順)などの情報を専用形式で記述する(JSON-LDという形式がよく使われます)。
- 見出しを「〇〇とは?」「〇〇のやり方」のように疑問形にし、その直後に結論を書くと、AIが答えとして抽出しやすくなります。
- 箇条書きや表を使って情報を整理すると、AIが内容を理解しやすくなります。
3. AEOって何? 具体的にどうやるの?

検索エンジンが「答え」を提示する「回答エンジン」へと進化する中で注目されているのが「AEO(Answer Engine Optimization:回答エンジン最適化)」です。
AEOは、AIや音声アシスタント(SiriやAlexaなど)が、あなたのブログ記事から答えを見つけやすく、引用しやすいようにコンテンツを最適化する手法です。
具体的なAEOの実践方法
- 質問を見出しにする: 例:「SEOとは何ですか?」という疑問に答えるなら、見出しを
<h2>SEOとは?</h2>
のようにする。 - 結論を最初に書く: 見出しのすぐ下、最初の2〜3文で簡潔に答えを述べます。
- 手順(HowTo)はステップ番号を振る: 可能であれば、HowTo用の構造化データ(HowToスキーマ)も追加します。
- 「30秒で分かる要約」を作る: 各セクションの最後に、内容を短くまとめた要約を入れると、AIにも読者にも親切です。
AEOの効果
AI Overviewにあなたの記事が引用されれば、たとえ検索結果の1ページ目に入っていなくても、多くの人の目に触れる機会が生まれます。クリックされなくても、あなたの会社名やサービス名が認知され、「〇〇(会社名)の言ってた方法、詳しく知りたいな」といった指名検索につながり、将来的な問い合わせや購入のきっかけを作ることができます。
4. ブログを「深掘り」と「辞典」に分ける設計図
これからのブログは、全ての記事で検索1位を目指すのではなく、役割に応じてコンテンツを作り分けるのが効果的です。
4-1. 深掘りコンテンツ:「気合を入れて」ファンを作る記事
AIには書けない、あなただけの価値を提供することに注力します。
要素 | ポイント | 例 |
---|---|---|
一次情報 | 社内で計測しているデータ、独自アンケート結果など | 「岡山の中小企業50社に聞いた!AI時代の情報収集、どう変わった?」 |
失敗談 | 失敗から得た学びと、それをどう次に活かしたか | 「新サービスLP、公開3日で広告費だけ溶かした理由とその後の改善策」 |
独自グラフ | データや情報を分かりやすく図解し、考察を加える | 自社サイトのコンバージョン率推移を、競合と比較しながら図解する |
Google スプレッドシートにエクスポート
4-2. 辞典コンテンツ:「サクッと読める」Q&A記事
読者の「ちょっと知りたい」に素早く答える記事を量産し、AIに引用されることを狙います。
- 1記事あたり600〜800字程度の短いボリュームでOK。
- 「〇〇とは? 5秒で解説」「〇〇の料金相場」といった、具体的な疑問に答える見出しにする。
- FAQスキーマ(構造化データ)は必ず設定する。
- 関連する「深掘りコンテンツ」への内部リンクを設置し、「もっと詳しく知りたい方はこちら」と誘導する。
5. AIと協力してコンテンツを作り、SNSや動画にも活用する方法
AI時代だからこそ、AIを積極的に活用してコンテンツ制作の効率を上げましょう。
フェーズ | AIとの連携例 | 作成物 | 再利用ツール例 |
---|---|---|---|
企画 | ChatGPTに「AI検索 SEOのブログ記事アウトライン案作って」と依頼 | 見出し構成案 | ChatGPT, Claudeなど |
執筆 | AIに「この見出しについて600字で書いて」と依頼→人間が追記・修正 | 記事本文 | Notion AI, 各種AIライター |
分解 | ChatGPTに「この記事の要点をX用に140字で3つ作って」と依頼 | SNS投稿文 | ChatGPT |
図解化 | Canva Magic Designに「この記事内容でプレゼン資料作って」と依頼 | 説明画像、図解 | Canva Magic Design |
動画化 | HeyGenに「この文章で60秒の解説動画スクリプト作って」と依頼 | ショート動画 | HeyGen, Descript |
自動投稿 | ブログ公開をトリガーに、ZapierでXやYouTubeに自動投稿設定 | マルチチャネル配信 | Zapier, Make |
人間は企画、独自情報の追加、最終チェックといった「考える」部分に集中し、繰り返し作業や定型的な部分はAIや自動化ツールに任せることで、コストを抑えながら、ブログ、SNS、動画など、より多くの場所で情報を届けられるようになります。
まとめ & 無料オンライン相談のご案内
AI検索が主流になる時代、「SEOはもう終わりだ…」と感じるかもしれません。しかし、それは終わりではなく「変化と進化」の始まりです。
ブログの役割を「ファンを作る深掘り」と「AIに引用される辞典」に分け、AEOの視点を取り入れ、さらにAIツールを活用してコンテンツを多方面に展開する。これが、これからのブログ戦略の鍵となります。
とはいえ…
- 「具体的に何から手をつければいいか分からない…」
- 「うちのブログは、深掘りと辞典、どっちを優先すべき?」
- 「AEOって、具体的にどう設定すればいいの?」
そんな疑問や不安をお持ちでしたら、ぜひ一度、無料のオンライン相談をご利用ください。
難しい専門用語は使わず、あなたのブログの現状やお悩みをお伺いしながら、今やるべきことの優先順位を一緒に整理させていただきます。
【無料相談の流れ】
- お申し込み: 下記フォーム、メール、またはお電話にて、ご希望の日時をお知らせください。
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