こんにちは、最近「未経験でフリーランスのエンジニアになりたい」という方からの相談を受けまして、思うところが色々あったので、ここで記事としてまとめてみます。
結論から言うと、未経験でフリーランスのエンジニア・webデザイナーになるのはオススメしません。
というのも、自分自身も現在はフリーランスを経て、法人にしていますが、その前は制作会社に3年ほど勤めていました。
そこの経験は自分としてかなり大きかったと思っていますし、だからこそ「未経験からいきなり独立したい!」という方には、「やめとけ」という答えになってしまいます。
ここからはその理由を具体的に述べていきますが、言いたいことは下記の3つです。
- 制作スキルがあることと、納品ができて満足してもらうことは違う
- 営業スキルや営業特性がある人じゃないと仕事を獲得するのが難しい
- 指導者や教育してくれる人がいないので、スキルバランスがいびつになる
それでは具体的に述べていきます。
【理由1】制作スキルがあることと、納品ができて満足してもらうことは違う
と言われてもどういうことかわかりにくいかと思うので、質問をさせてください。
「家を実際に建てたことのない大工や設計士に、自分の家を任せたいですか?」
僕が「未経験でフリーランスになりたい」と思っている方にまず問いたいのはこの1点です。
(僕は任せたくないです。)
未経験でも専門学校や職業訓練、オンラインスクールで勉強すれば、ある程度のスキルと知識はつけれるというのは本当です。
だけど難しいのはその先だと思っていて、結局はどこまでいっても誰かに納品して、満足してもらってお金をもらう、という工程になんですよね。
- すり合わせていた話が違う
- 要件が変わった
- 写真の提供がされない
- 文章がちゃんとしたものができない
- ヒアリングがうまくいかない
- 納期が伸びた
こんな状況なんていくらでもあります。
「これを1人で未経験でうまくまとめれますか?」ということを聞きたいです。
もちろんエンジニアやコーダーとして独立しようとするのなら、クライアントと直接会う必要はなく、上記のような悩みはいらないかもしれません。
ただ、イメージとして持ってほしいのは、
外注というのは「スキルが高くて、自社では雇えないような人に依頼する」のが前提
ということです。
だから依頼する側としては、未経験フリーランスに外注というのはそもそも発想として成り立たないんですよね。
こちらとしては教育コストをかけたくないから外注なのに、育成する必要があるなら、人雇いますよねって話です。
弊社としては外部パートナーとして、仕事を依頼させてもらう際には、本当にその人にプロの仕事をしてほしいケースで依頼しています。
【理由2】営業スキルや営業特性がある人じゃないと仕事を獲得するのが難しい
これが2つ目の理由です。
というのも、エンジニア、webデザイナーになりたいという人ってみんな営業スキルや自分の値付けができる人ばっかりなのかな?という素朴な疑問です。
おそらくバリバリコードばっかり書いたり、デザインだけしてたい人も多いんじゃないでしょうか。
独立してフリーでやるには、自分の料金表や提案資料を作って、それをクライアントや元請けに説明して、納得してもらって受注、という流れになるかと思いますが、そんなのやりたいですか?
僕はディレクターも前職でやっていたので、料金表の作成や資料作成はそんなに困らなかったですが、いきなりこの業界に入った人は相場もわからないだろうし、なかなか難しいんじゃないかと。
またこの営業活動や案件を受注することに時間と意識を割くということは、その分制作にかける時間が減るということです。
会社に入ってエンジニアやデザイナーとして仕事をしている人は、ここに割く時間はほとんどなく、仕事時間中ほぼ全てを制作に割くことができます。
って考えたら絶対に会社に入ったほうがスキルアップにつながると思いません?
【理由3】指導者や教育してくれる人がいないので、スキルバランスがいびつになる
これが最後の理由です。
頑張ったかいもあって、フリーランスになれて、受注がしっかりとできて、軌道に乗ったとしましょう。
ただ難しいのはそこから先です。
「あなたはフリーランスになって、その先どうなりたいですか?」
5年後、10年後をどう考えますか?
- 多くの言語を使えるスーパーエンジニア
- フロントエンドなら完全に任せられるコーダー
- どんなテイストでも対応できるwebデザイナー
- コンサルティングから制作もできるマルチクリエイター
色々どのスキルを特化させるかで、自分の方向性は変わりますが、それらの理想とする人は見つけられますか?
ネット上でそういう人を見つけてフォローするのもいいでしょう。
でも結局はどこまでいってもそれはSNS上であって、リアルではありません。
その人の全てを見ているわけではありませんし、どんな仕事スタイルで働いているかがわかるわけではありません。
会社に勤めれば、色んな人と関わることができます。
- コーダーで雇ってもらったけど、デザイナーと関わることで、そっちの仕事もいいなと思った
- ディレクターを任されてやってみると、意外と自分に合っていると思った
- SEOに関して全く知識がなかったけど、社内で勉強会があるから、知見が広がる
などなど、思ってもみなかった発見や気付きがあります。
僕は今まで色んな外部パートナーと仕事をしてきましたが、色んな人がいました。
特定のジャンルや特定のデザインしかできない、という人がいたとしても、自分ではそれには気付けません。
また外部パートナー、外注元や元請けとしても、わざわざそれを指摘することもあまりありません。
ただ次から依頼されなくなるだけです。
それが会社であれば指摘は入りますし、少なくとも周りと自分を比較できます。
最後に
個人的には、フリーランスや独立というのは、まずは2〜3年ほど会社員として勤めて、そこで物足りなかったり、周りの人間より技術力が優れてきて、評価されだしてから、なるというものだと思っています。
なので、まずはどこかの会社に入り、そこで1番を目指しましょう、というのが僕の考えです。
とはいえ、労働時間や場所の制約などでフリーランスを選ばざるを得ない人もいるかとは思うので、一概には言えませんが。
ただフリーランスや独立を目指そうという心意気や、考え方は素晴らしいと思うので、堅実に技術力をつけながら頑張っていきましょう!
そんな方と一緒に仕事ができるのを心待ちにしています。
一緒に働きたいと思ってくれた方へ
弊社では正社員やアルバイトの方や、業務提携パートナーの募集を積極的に行っています。
価値観や方向性が合う方がおられましたら、お気軽にご連絡ください。